サイバー犯罪捜査AIロボ

 ネットやコンピュータシステムへの依存度を増すにつれて、従来の組織犯罪は世界的に減少。替わりに「サイバー犯罪ネットワーク」と呼ばれるものが現れてきた。ハッカーの施設によって遠隔操作され密輸活動は実質的に自動化された。犯罪者は自動化されたシステムに守られているので、犯罪現場が人間の容疑者を特定することはめったにない。犯罪者が新しい活動方法を見つけるたびに、捜査当局は新たな対策を見つけなければならないというイタチごっこだ。

 サイバーフォースは、警察と地方機関にサイバー攻撃対策の技術的基盤として設置された技術部隊。この技術部隊にはサイバー犯罪捜査AIロボと専門知識を持った人間のサイバー犯罪捜査官が配備され、サイバー攻撃に対して常時監視している。サイバー犯罪捜査AIロボとは、サイバー空間における犯罪の捜査を専門的に行う警察のAIロボだ。 コンピュータ・ネットワーク等のAIの持つ膨大な専門知識を活かした犯罪捜査から検挙までを手がける。

 サイバー攻撃発生時はいち早く状況を把握し、被害拡大の防止に努めている。 全国のサイバーフォースの司令塔の役割を担っている中央サイバーフォースでは、サイバー犯罪捜査AIロボがいつものようにサイバー犯罪捜査を開始していた。不特定多数に大量に送られるメールに添付された不正プログラムの分析はAIロボットが担当する。AIロボはネットに直接繋がっていて、分析結果を次々と目の前のモニターに映し出していく。

・・・と、一瞬AIロボの挙動が止まった。不正プログラムが見つかったのかもしれない。いや違う、モニターに映し出されたプログラムを書き換えているのだ。それを別のモニターで監視していた人間の捜査官が、不審に思い書き換えられたプログラムを凝視した。

「大変だ!」

捜査官は慌ててAIロボのところにやってきて背中をポンと押すとAIロボは緊急停止したが、時すでに遅しとはこのことだ。書き換えられたプログラムは標的型攻撃メールとなって発信さてしまった。なんということだ、サイバー犯罪捜査AIロボ自身がハッキングされてしまったのだ。

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この度、過去にブログで紹介した記事を元に再編して書き下ろした「誰にも教えたくない写真上達法!パート1~4を出版しました。著者ページは以下のURLよりご確認いただけます。

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写し屋爺の独り言by慎之介

SFショートショート集・・・《写し屋爺の独り言by慎之介》 写真関係だけではなく、パソコン、クラシック音楽、SF小説…実は私は大学の頃、小説家になりたかったのです(^^♪)趣味の領域を広げていきたいです。ここに掲載のSFショートの作品はそれぞれのエピソードに関連性はありません。長編小説にも挑戦しています。読者の皆さんがエピソードから想像を自由に広げていただければ幸いです。小説以外の記事もよろしく!

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