新たな脅威
ルスラン博士はその場の全員を見回しながら
「その前に、ジミー君に確認しておきたいことがある・・・」
ルスラン博士はジミーに向き直ってパワーの特性を確認していた。その後、サリームメンバーが加わりマリコフ退治に向けての真剣な作戦会議を始めた。
ルスラン博士が
「・・・さて手筈が整ったらサリームたちは出発してくれたまえ!ジミーくんは待機だ」
ルスラン博士はサリームメンバーがテレポートした後、改めてジミーに忠告した。
「良いか・・・サリームとの同調を絶やすなよ!君と繋がってることが命綱となるんだからな」
ジミーはすでにサリームたちとの同調に入っていた。
一方のサリームたちは、マリコフの動向を監視していたシャリーたち宇宙公安部の精鋭数名、そしてフィオナとリオネル、ルフィナの一行と合流していた。場所はタール砂漠のど真ん中に位置する小さなオアシス。マリコフが砂漠の小さな湖の周囲に造った偽装の「憩いの場所 」だ。ここの地下施設でマリコフがワープ・ドライブを製造しているのである。彼らが姿を現したとき、オアシスの樹木から一斉に鳥が飛び立った。
メグがシャリーたちの顔を確認するなり、
「遅くなってごめんなさい、でも強力な助っ人を用意してるわよ」
フィオナが
「助っ人?」
デビットが
「それは後のお楽しみだよ。それより、マリコフはどうしてる?」
シャリーが
「ここの地下施設にはマリコフたちが製造したワープ・ドライブがある。幸いまだ稼働はしていないようです。しかしそれも時間の問題でしょう」
クリスチーヌが
「マリコフは私たちにまったく気づいていないのかしら・・・」
ルフィナが
「たぶんね、だってあたしやフィオナもリオネルもいなくなったんだよ、監視体制は脆くなってるはずさ」
その時、湖水に水しぶきが上がった。
現れたのはマリコフの右腕と言われているサイコ・ハンター、カルロスであった。カルロスとはマリコフに次ぐ最強サイコパワーを保持している超能力者だ。通称サイコ・ハンターと呼ばれている。サイコ・ハンターは、銀河宇宙のサイコパワーを持つ様々な手練れをハンティングして、マリコフに僕として献上してきた実績がある。マリコフの留守を預かりドンヴァースにいるものと思っていたが、いつの間にか地球に来ていたのである。
屈強な肉体と精神力を持つカルロスには誰もはむかえない。だからこそサイコ・ハンターの異名を持っているのだ。カルロスはすでにサリームたちの所在を感知していた。
「リオネル、フィオナ、ルフィナ、それに宇宙公安、地球のサリーム諸君、いくら身を隠しても無駄だ。私にはすべて筒抜けだ!」
カーラが
「私たちはマリコフの核弾頭転送をやめさせるために来ているのよ。あなたたちと戦うつもりはないわ」
「それは余計なお世話というものだ。マリコフ様は核を使ってこの銀河系を一つに統合しようとされている。それを邪魔することは何人も許されない」
クリスチーヌが
「銀河統合にどうして核が必要なの?」
「その答えは私が教えよう」
サリームたちの背後から肉声が聞こえてきた。
マリコフ自ら登場してきたのだ。
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